「ねえ、読書感想文、どの本にすればいいと思う?」
夏休みが近づくと、我が家の中学1年生の娘から毎年恒例の質問が飛んできます。机の上には学校から配られた推薦図書のリスト。でも、どれもピンとこない様子。
「あらすじを書くだけになっちゃいそう…」 「何を書けばいいか、全然わからない…」
この悩み、全国の中学生と、その姿を見守る親御さんにとって「夏休みあるある」ではないでしょうか。原稿用紙を前に親子で頭を抱える光景は、もはや夏の風物詩かもしれません。
こんにちは!中1の娘を持つさくらです。
何を隠そう、我が家も毎年この問題に悩まされてきましたが、去年からある秘策を思いつきました。それは、「オーディブルで読書感想文」という新しいアプローチです!
娘にこう提案しました。 「私が好きな、喜多川泰さんの本はどう? しかもこの方の本は、多くがAudible(オーディブル)で聞けるんだよ」
本を読むのが苦手、活字が頭に入ってこない…そんなお子さんでも、まずはプロのナレーターが読んでくれる「耳からの読書」で物語の世界へ。 「これ面白いかも」「続きが気になる!」と感じたら、改めて本を手に取ってみる。このワンクッションが、読書感想文へのハードルを驚くほど下げてくれるんです。
この記事では、まず私が特におすすめしたい「喜多川泰さんの3作品」、そして、さらに視野を広げた「名作7選」をご紹介します。「耳からの読書」Audible(オーディブル)で、読書感想文への一歩を踏み出しましょう!
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【心の成長を促す】中学生の心を掴む!喜多川泰作品3選
喜多川泰さんの作品は、面白い冒険をしながら人生のヒントまで手に入る「人生の攻略本」のよう。友情、夢、挑戦といったテーマが、皆さんの「これから」を力強く応援してくれます。
1. 『賢者の書』
将来の夢を考え始めたいならコレ!
どんな本?
平凡な高校生サイが、不思議な本を手に9人の賢者に出会う旅に出る物語。冒険を通して、友情、挑戦、そして人生で本当に大切な「宝物」とは何かを学んでいきます。
【感想文のヒント】実体験との結びつけポイント
ポイント①:「賢者の言葉」を「自分の悩み」へのアドバイスとして受け取る
賢者たちの言葉は、まるで自分に語りかけられているかのように心に響きます。「とにかくやってみろ」「失敗は、挑戦した者にしか与えられない勲章だ」といった言葉に、ドキッとする子も多いはずです。
(問いかけの例)「『失敗を恐れるな』という言葉を、数学が苦手な自分へのメッセージだと思って聞いてみた。次のテストでは、難しい問題にも逃げずに挑戦してみようという勇気が湧いてきた」
ポイント②:「自分の宝物」について考える
物語の大きなテーマである「自分の宝物さがし」。これを機に、「自分にとって本当に大切なものは何だろう?」と深く考えることができます。
(問いかけの例)「主人公にとっての宝物は〇〇だった。私にとっての宝物は、毎日一緒に笑ってくれる友達や、いつも支えてくれる家族かもしれない。当たり前だと思っていたけど、これからはもっと大切にしていきたい」
こんなお子さんにおすすめ
✅ 冒険やファンタジーが好き
✅ 「努力」や「挑戦」といったテーマに興味がある
✅ 人生をより良くするヒントが欲しい
2.『手紙屋』蛍雪篇
将来の夢を考え始めたいならコレ!
どんな本?
「何のために勉強するんだろう?」と悩む高校2年生の主人公「和花」が、謎の「手紙屋」との十通の手紙のやりとりを通して、受験勉強や学ぶことの本当の意味を見つけ、夢に向かって成長していく物語。
【感想文のヒント】実体験との結びつけポイント
ポイント①:「勉強の目的」を考える
「志望校合格」という短期的な目標だけでなく、「学ぶことを通して、将来何をしたいか」「どんな自分になりたいか」という長期的な視点を与えてくれます。
(問いかけの例)「読む前は、単にいい大学に行きたいと思っていた。でも、この本を読んで、自分は〇〇(例えば、世の中の課題解決)のために学び、将来〇〇(例えば、人助け)をしたいと気づいた」
ポイント②:「やる気」との向き合い方
勉強へのモチベーションが上がらない時、どうすれば良いか。手紙屋の言葉は、あなたの内側からやる気を引き出すヒントを与えてくれます。
(問いかけの例)「なかなか勉強に集中できなかったけれど、この本を読んで、〇〇(具体的な行動や考え方)を試してみたら、少しずつやる気が出てきた」
こんなお子さんにおすすめ
✅ 進路や将来について真剣に考えたい
✅勉強へのやる気がなかなか出ない
✅ 受験勉強の目的が見つからない
3. 『One World』
世界に目を向け、視野を広げたいならコレ!
どんな本?
修学旅行で訪れた東南アジアで、貧困や環境問題といった厳しい現実を目の当たりにした高校生たち。「自分にできることは何か」を考え、行動していく社会派青春物語。
【感想文のヒント】実体験との結びつけポイント
ポイント①:「当たり前」と「世界の現実」を比べる
自分の日常(食事、水、学校)がいかに恵まれているかに気づき、衝撃を受けるはずです。
(問いかけの例)「いつも給食を残しがちだった自分を恥ずかしく思った。作ってくれた人や、世界には食べられない人もいることを考えて、これからは感謝して食べようと決めた」
ポイント②:「自分にできること」を具体的に考える
「世界平和」は難しくても、「フェアトレードの商品を買ってみる」「使わない電気を消す」「募金する」など、今日からできる小さな一歩を考え、それを実行する決意を書くことができます。
(問いかけの例)「まずは自分のお小遣いの中から、毎月少しずつ募金することから始めたい。小さなことでも、世界と繋がっていると感じられると思う」
こんなお子さんにおすすめ:
✅ 社会問題や海外に興味がある
✅ ニュースの見方を変えたい、SDGsを物語で学びたい
✅ 正義感が強く、困っている人を助けたい気持ちがある
【まだある!】Audibleで聴ける読書感想文におすすめの名作7選
喜多川作品以外にも、中学生の心を揺さぶる名作はたくさんあります。あなたの興味に合う一冊がきっと見つかるはず!
4.『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈
退屈な毎日にウンザリしている君へ、最強の主人公がやってきた!
どんな本?
滋賀県に住む中学生「成瀬あかり」。閉店するデパートに毎日通い、M-1グランプリ出場を宣言し、夏休みには坊主頭になる。常識にとらわれず、我が道を全力で突き進む彼女の、最高に痛快な挑戦の物語。
【感想文のヒント】実体験との結びつけポイント
ポイント①:主人公への憧れと自己投影
成瀬の突き抜けた行動力は、読者に強烈なインパクトを与えます。自分は成瀬タイプか、親友の島崎タイプか? もし成瀬がクラスにいたらどうするだろう? と想像してみましょう。
(問いかけの例)
「最初は『変わった子だな』と思っていた成瀬の行動が、だんだんカッコよく見えてきた。周りの目を気にして挑戦できない自分と比べて、うらやましくなったからだ」
ポイント②:自分にとっての「挑戦(天下取り)」を考える
成瀬がさまざまなことに全力で取り組んだように、自分が今「本気でやってみたいこと」は何かを考えるきっかけになります。
(問いかけの例)
「成瀬にとっての『天下取り』が西武大津店やM-1だったように、私にとってのそれは、部活の大会で優勝することかもしれない。失敗を恐れずに、成瀬のように全力で取り組んでみたいと思った」
こんなお子さんにおすすめ
✅ なんだか毎日が退屈だと感じている
✅ とにかく笑えて、元気が出る本が読みたい
✅ 何か新しいことに挑戦する勇気がほしい
5. 『カラフル』森絵都
人生の「再挑戦」に心揺さぶられるならコレ!
どんな本?
大きな過ちを犯して死んだ魂が、自殺を図った少年「小林真」の体に乗り移り、人生の再挑戦のチャンスを与えられる物語。
【感想文のヒント】実体験との結びつけポイント
ポイント①:「他人の視点」で世界を見る
主人公が他人の体に入ることで、家族や友達の見え方が変わります。自分も、もし親友や親の立場だったら、今の自分をどう思うか想像してみましょう。
(問いかけの例)「いつも口うるさいと思っていた母も、真のお母さんの姿を見て、自分のことを心配してくれているからなんだと気づいた。今度、ありがとうと伝えてみようと思う」
ポイント②:自分の「人生の色」を考える
「人生はカラフルだ」というメッセージが心に響きます。自分にとって嬉しい時の色、悲しい時の色、そして自分の「個性」は何色かを考えることで、自己分析に繋がります。
(問いかけの例)「私の個性は、明るい黄色だと思う。でも、時には暗い青色の日もある。それでいいんだと、この本が教えてくれた気がする」
こんなお子さんにおすすめ
✅ 「自分らしさ」について考えたい
✅ 家族との関係を見つめ直したい
✅ 人生はやり直せる、と勇気が欲しい
6. 『鹿の王』上橋菜穂子
壮大なファンタジーの世界に浸りたいならコレ!
どんな本?
強大な帝国と、謎の病気が蔓延する世界。過酷な運命に翻弄されながらも、病気の謎に迫る孤独な戦士と天才的な医術師。二人の視点から描かれる壮大な命の物語。
【感想文のヒント】実体験との結びつけポイント
ポイント①:登場人物の「信念」と自分を比べる
ヴァンやホッサルは、困難な状況でも自分の信念を貫こうとします。彼らの生き方を見て、自分が大切にしたいものは何か、どんな大人になりたいかを考えることができます。
(問いかけの例)「ホッサルが敵国の人間でも救おうとする姿に、本当の医者の姿を見た。私も、人を立場や見た目で判断しない、強い心を持ちたいと思った」
ポイント②:物語と「現実社会」を繋げる
作中の謎の病や民族間の対立は、現代社会が抱える感染症の問題や、差別、紛争と重なります。
(問いかけの例)「この物語はファンタジーだけど、今、世界で起きていることと同じだと思った。ニュースの見方が変わり、もっと社会の問題について知りたいと思うようになった」
こんなお子さんにおすすめ
✅ 壮大な世界観のファンタジーが好き
✅ 医療や社会的なテーマに興味がある
✅ 困難に立ち向かう強い意志に触れたい
7. 『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』汐見夏衛
涙で「平和」の意味を考えたいならコレ!
どんな本?
親や学校に不満だらけの現代の中学生・百合が、1945年の戦時中の日本にタイムスリップしてしまう。そこで出会った特攻隊員の彰と心を通わせる中で、平和な世界の尊さを知る物語。
【感想文のヒント】実体験との結びつけポイント
ポイント①:現代の「当たり前」と戦時中の「非日常」を比べる
百合が、お腹いっぱいご飯を食べられることや、好きな服を着られることのありがたさに気づく場面を読んで、自分がいかに恵まれた世界に生きているかを痛感するはずです。
(問いかけの例)「百合が、たった一切れのサツマイモを彰と分け合って食べるシーンが忘れられない。いつも当たり前に食事できることに感謝して、これからは一口も無駄にしないようにしたい」
ポイント②:彰たちが「託した未来」をどう生きるか
死を覚悟しながらも、日本の未来を信じて懸命に生きた特攻隊員たち。彼らが命をかけて守ってくれた「今」を、自分はどう生きていくべきかを真剣に考えることができます。
(問いかけの例)「彰が『未来を託す』と言った言葉が重かった。彼らが命がけで繋いでくれたこの平和な時代に生きる自分に、何ができるだろうか。まずは、この物語を誰かに伝えたいと思った」
こんなお子さんにおすすめ
✅ 切ない恋の物語に涙したい
✅ 歴史や「平和」について深く考えたい
✅ 今の「当たり前」の生活に感謝したい
8. 『西の魔女が死んだ』梨木香歩
優しい時間の中で、心を休めたいならコレ!
どんな本?
学校に行けなくなった中学生のまいが、「西の魔女」ことおばあちゃんと過ごすひと夏の物語。自然の中での暮らしを通して、少しずつ元気を取り戻していく。
【感想文のヒント】実体験との結びつけポイント
ポイント①:おばあちゃんの「知恵」に学ぶ
「魔女修行」を通して語られる、おばあちゃんの言葉は珠玉の名言ばかりです。一番心に残った言葉は何か、それはなぜかを考えましょう。
(問いかけの例)「『自分で決めることの大切さ』という言葉が心に残った。今までは周りに流されて決めることが多かったけど、これからは自分の頭で考えて、自分で決められるようになりたい」
ポイント②:「死」と「受け継がれるもの」を考える
おばあちゃんの死を通して、まいがその魂を受け継いでいく姿は感動的です。命の繋がりや、自分が祖父母や親から受け継いでいるものについて考えるきっかけになります。
(問いかけの例)「おばあちゃんは亡くなったけど、その教えはまいちゃんの中に生き続ける。私の祖母もいつも『ありがとうは魔法の言葉だよ』と言っていた。その言葉を、私も大切にしていきたい」
こんなお子さんにおすすめ
✅ 優しい物語で癒されたい
✅ 自然や丁寧な暮らしに憧れる
✅ 心が疲れている時にそっと寄り添ってほしい
9. 『そして、バトンは渡された』瀬尾まいこ
新しい「家族の形」に温かい涙を流すならコレ!
どんな本?
血の繋がらない親の間をリレーされ、4回も苗字が変わった優子。でも、彼女はいつも周りの愛情に包まれて幸せだった。新しい家族の形を描く物語。
【感想文のヒント】実体験との結びつけポイント
ポイント①:「家族」の定義を考える
この物語は、「家族とは何か?」を問いかけてきます。血の繋がりだけではない、様々な「愛情の形」についてどう感じたかを考えましょう。
(問いかけの例)「本当の家族とは、血が繋がっていることではなく、お互いを思いやることなんだと気づいた。私の家族も、もっと大切にしようと思った」
ポイント②:最後に明かされる「秘密」への感動
物語の最後に明かされる「バトンの秘密」には誰もが驚き、感動するはずです。その事実にどう心を揺さぶられたか、その感動を素直に言葉にしましょう。
(問いかけの例)「全ての点が線で繋がった時、涙が止まらなかった。こんなにも深い愛情があったなんて。私も、誰かにとってこんな存在になれるだろうか」
こんなお子さんにおすすめ
✅ 新しい「家族の形」に触れたい
✅ 血の繋がりを超えた愛情に感動したい
✅ 温かい気持ちで本を読み終えたい
10. 『夢をかなえるゾウ』水野敬也
笑って学んで、行動したくなるならコレ!
どんな本?
人生を変えたいダメダメな主人公の元に、突然現れた関西弁のゾウの神様「ガネーシャ」。ガネーシャが出す、おかしな課題をクリアしていく自己啓発エンタメ小説。
【感想文のヒント】実体験との結びつけポイント
ポイント①:ガネーシャの課題を「実行」してみる
この本は「読んで、行動する」のが一番!感想文に「ガネーシャの課題を一つやってみた」と書けば、それだけで誰にも真似できない作品になります。
(問いかけの例)「『靴を磨く』という課題をやってみた。最初は面倒だったけど、ピカピカになった靴を見たら、自分の心もスッキリした気がした。小さなことで気分が変わるなんて驚きだ」
ポイント②:「偉人の教え」を自分に当てはめる
作中に出てくる偉人のエピソードから、自分の目標達成のために取り入れられることは何か考えることができます。
(問いかけの例)「エジソンの『失敗ではない。うまくいかない方法を1万通り見つけただけだ』という話が好きだ。私も部活の練習でうまくいかなくても、諦めずに続けようと思った」
こんなお子さんにおすすめ
✅ 今の自分を何か少しでも変えたい
✅ 笑いながら楽しく人生のヒントを学びたい
✅ 具体的な行動を起こす「きっかけ」が欲しい
まとめ
いかがでしたでしょうか。最後に、今回ご紹介した10作品をタイプ別にまとめます。あなたにぴったりの一冊を見つける参考にしてくださいね。
冒険ファンタジーが好きなら
→ 『賢者の書』
将来の夢について考えたいなら
→ 『手紙屋』
世界に目を向け、視野を広げたいなら
→ 『One World』
毎日が退屈で、何かを始める勇気がほしいなら
→ 『成瀬は天下を取りにいく』
人生の「再挑戦」に心揺さぶられたいなら
→ 『カラフル』
壮大なファンタジーの世界に浸りたいなら
→ 『鹿の王』
涙で「平和」の意味を考えたいなら
→ 『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』
優しい時間の中で、心を休めたいなら
→ 『西の魔女が死んだ』
新しい「家族の形」に温かい涙を流したいなら
→ 『そして、バトンは渡された』
笑って学んで、行動したくなるなら
→ 『夢をかなえるゾウ』
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読書感想文は、誰かの正解を探す作業ではありません。本という鏡を通して、自分と向き合い、対話し、今まで気づかなかった「自分だけの宝物」を見つけてくださいね。
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皆さんの読書感想文を、心から応援しています!
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